「西側諸国」の内部で「東側諸国」が生まれる瞬間を目撃した。そんな感想を持った。世界は『価値観を共有する国々』がいくつもの小さな連盟に分断していくかもしれない。
いくつもの国々(特に日本やEU諸国)は是々非々でアメリカや中国、ロシアと向き合うことになる。今から1年後の2017年の終わり頃、世界のパワーバランスはどこに重心を置いているのだろう。
衝撃的だったのはテレビ討論会が意味を持たなかったことだ。マスメディアのキャンペーンも無意味だった。変化を求める世論は決してコントロールできるものではない。それは時代の変化を示すものでもあった。

さて、まったく見当外れかもしれないが、期待していることがある。それは文化や芸術の次の潮流が起きるのではないか、ということだ。決定的な「ポスト・ポストモダン」の出現。特に美術の分野は目立った動きをするのではないか。
政治が大きく荒れ先が見通せないとき、これまでの枠組みを大事にしそれを深化させようとする動きや、反対に新しいうねりを起こす動きが生まれる。それは芸術を研ぎ澄ますことにもなろう。

21世紀の世界は多様化と均質化が同時に進んでいる。西も東もない。南と北は、やはり縮小と拡大が同時進行する。不思議な時代だ。人口減少社会に突入する日本はどこに向かうのだろう。
ともあれ、変化を嫌って自分たち世代ばかりが良い生活を願うのはあまりにも哀しい。自分たちの後ろを振り向けば、もっと若い人たちが並んでいて、そしてまだこの世に生まれてさえいない人たちが続く。後ろを慈しみ、前を見据えたい。
想像しなかったことが、想像もしないスピードで訪れる。西側諸国の象徴国家の中に中国やロシアが歓迎するような政権が生まれる時代だ。善し悪しは別として、そういう潮目に入ったことを受け入れよう。僕らは、未来のための深化と進化を鞭打ちやっていくだけだ。