2017年12月09日

ギラヴァンツ北九州の幕間。

 きょうはギラヴァンツ北九州のシーズン報告会が行われ、今シーズン限りで引退する前田和哉選手があいさつしました。


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 「いろいろなことがあった」と5年間のギラヴァンツでのプレーを振り返った前田選手。こう続けました。

 「14年はプレーオフの順位に行ったけれど、資格がなくて(プレーオフを)戦えなかった。その後はサポーター問題もあった。降格し、昇格ができなかった--。そういった流れがある中で、キャプテン(※13~16年)としてJ1に昇格できなかった責任と、J3に落としてしまった責任は心の中にすごく残っていて、申し訳なく思います」

 そして後半アディショナルタイムで出場したホーム最終戦を脳裏に浮かべ、「監督やスタッフ、チームの仲間、サポーターによるあの空間は特別なもので忘れられない試合でした。1分でしたがみんなが作ってくれた試合に出させてもった。感謝したいです。できたらまだまだサッカーがしたかったし、この地で、J2への昇格になってしまいましたが、J1に昇格してあのスタジアムでやりたかった」と話しました。


 ギラヴァンツ北九州というクラブを一歩引いたところから眺めたとき、前田和哉選手の引退は大きな区切りになった印象を受けます。


 ギラヴァンツ北九州は大きく分ければ、

・九州リーグ時代(~06年)
  →夜明け前の、礎を作る蓄積の時代
・与那城ジョージ監督時代(07~10年/九州リ、JFL、J2)
  →強化推進。北九州Jリーグ史の夜明け
・三浦泰年監督時代(11~12年)
  →チームが「プロ」へと飛躍的な成長
・柱谷幸一監督・原田武男監督時代(13年~)
  →現実路線が呼んだPO圏と降格

 に時代を分けられると思います。



 前田選手は大きく選手が入れ替わった2013年からプレーし、16年までキャプテンを務めました。彼なくしては14年の上位進出はなかったでしょう。口癖のように「このチームはJ1を目指さなくてはいけない」「戦う姿勢を見せるべきだ」--。そう話していました。


 西嶋弘之選手、八角剛史選手とともに、常に上を見てきた選手です。こうした太い柱によって、なんとか支えられていた時代が、浮沈の柱谷・原田時代と言えるかもしれません。

 しかしもう前田選手もいなくなります。先に引退を発表していた西嶋選手、八角選手も今年でスパイクを置き、セカンドキャリアへと進んでいきます。
 これから先、チームを誰が束ねていくのか、それはまた新しい期待を胸に、見ていきたいと思います。クラブ自体も社長が交代し、チームは新しい監督を迎え入れます。大きな変革期にあり、新しい風が吹くのは明らか。ただしそれは清風であることが望まれます。


 上に四つの時代に分けられると書きましたが、「ギラヴァンツ北九州」という小説は、未だ長い第1章を書き続けているのかもしれません。
 Jリーグ参入から8年目のシーズンが過ぎ去りました。8年間、様々な不具合が表面化し、その都度、時にはドラスティックな手で変容はしてきました。それが時代の区切りにはなりましたが、取り巻く全てが「第2章」に入ったと胸を張って言えるでしょうか。過ぎた歳月と整ってきた環境を考えれば、チームもクラブも、次のステップに進んでいないといけません。

 来たる年の物語が「第1章第5節」なのか、それとも「第2章第1節」に移るのか。来年までのしばしの幕間、期せずして訪れる好機に新たなる猛者どもの出現を待っています。

 
 

 さて、最後は告知。

 レノファ山口FCの今シーズンを振り返る「シーズンブック」は編集作業が大詰めです!

 12月22日発売予定。冒頭には私によるレビュー記事が載る予定です。3人が指揮を執った今シーズンの光と影を、濃淡あるテキストでお届けします。(特にカバーページの短いキャッチコピーとリードは今シーズンをうまく象徴できたと思います)

 こちらは山口県内の主要書店で発売するものと思われます。ぜひお楽しみに。


shinchoen at 23:05│いばしょ | おもうこと