朝日新聞社がまた、「ぶちくらせ」を蒸し返した。今まで報道してきたものと同じ内容で新しい話題はない。
ネット上にも記事がある)。

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いわゆる「ぶちくらせ」の問題に関して、私は一切言及するつもりはない。何かが決したりしたところで、クラブにもコアサポーターにも、メーンスタンドのサポーターにとっても、関わる全員が納得する答えなどありえないし、目下のところ一番良いのは時が解決することだ。多少のうやむやな面は残したとしても、起きた事象と今からのことは切り離し、新しい応援、新しいスタジアムに進んでいくことのほうがより多くの幸せを得られるだろう。時間は止まらない。

そういう中にあって、何度も執拗に報道上に乗せてくる朝日新聞のキャンペーンは理解ができない。それに、重箱の隅を突くものではあるが、応援団が掲げた横断幕は「ぶちくらせ!北九州 サッカーで北九州、心ひとつに」であるのに、新聞紙面では、横断幕が「ぶちくらせ!北九州 心ひとつに」という文言で紹介されている。なぜ中途半端に編集した? クラブにしろ、サポーターにしろ、関わっている者の中心にあるのは「サッカー」。問題の高まりにともなって言葉に拘泥した感はあるにしても、「ぶちくらせ」を一人歩きさせて北九州を束ねたいと考える者はほとんどいないだろう。ましてや今は。

雑な編集、雑な報道には「サッカー」という観点がごそっと抜け落ちている。当然といえば当然だが紙面では記者らの考えが述べられず、サポーターやクラブ、識者らの言葉を通して何らか伝えようとしているが、ピンぼけの印象を受ける。キャンペーンを打ち上げた以上、賛同も批判も覚悟してそれなりの着地点を示すべきだ。

朝日新聞の過去の記事
応援で「ぶちくらせ!」 J2北九州めぐり賛否両論(2015年7月)
J2北九州「ぶちくらせは不適切」 納得しないファンも(2015年7月)「ぶちくらせ!」は方言?暴言? 横断幕にレッドカード(2016年1月)

「『言葉狩り』を取り締まってます」というようなキャンペーンを、政権に対してならまだしも地方の文化の中で殊更に何度も何度もやるべきではない。Jリーグ百年構想パートナーの朝日新聞社が考えるサッカー文化とは何か。そういう論点で仮定を出しキャンペーンを展開するなら、歓迎しよう。