もちろん今年の最大のトピックはレノファのJ3優勝や、ギラのいろいろやらですが、最も衝撃的だった事象は、BS1「国際報道」のキャスター・黒木奈々さんの死去でした。

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画像は同番組の7月13日の放送です。

ゲストに元F1レーサーで現在は自転車ロードレースチーム監督をしている片山右京さんを招いてのトーク。黒木さんはいつものように聡明で、温かく語りかけるような喋り。片山さんの「ツール・ド・フランスにチームを出させたい」という夢を引き出していました。

まさか、この放送が黒木さんの最後の出演となってしまうとは。療養に入った後も復帰を強く望んでいたということでしたが、叶うことはありませんでした。
加療中の黒木さんに向かってメーンキャスターの有馬嘉男さんが、「戻ってくるのを待ってます」と番組内で異例の励ましも。その言葉は届いていたと思いますが、願いは通じず、9月19日に死去。32歳でした。

番組を通して黒木さんが多く私感を語った訳ではありませんが、ただ、世界の「現場」を伝えるという意思は強かったと思います。番組のウェブサイトには「遥か遠い国の出来事も、私たちに全く関係のないことなどひとつもない」という黒木さんの言葉が綴られています。

「国際報道」という番組は、世界のニュースを伝える「ワールドWaveトゥナイト」の流れを汲む1時間枠で、中継や、世界の人々の生き方を伝える現地報告などで構成されています。ジャーナリズムは現場にあり、世界の中に日本がある。黒木さんが最後まで復帰を望んだ番組にはそういう国際報道の精神が宿っているように感じます。

 
意志強く、知性深く、美しき華。
花は散る運命なのでしょうか。

当たり前のことかもしれませんが、他者や世界との縁を大切に、ちゃんと生き、伝えることが仕事ならばちゃんと伝えていく。そういう思いを新たにした秋の訃報でした。

 
まだ残るこころの枝葉に触れ、合掌する。故人見ぬ冬。2015年の蓋棺録。

 
 
そして、今年も1年、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。