全日本少年サッカー大会。いわゆるU-12、小学生年代のサッカー大会 の全国大会が鹿児島市で開かれていて、そこに来ています。

が、シャトルバスの運行がちょっとひどいので、つらつらと書いてみます。あくまでもサッカー記者ではなく、バスジャーナリスト的な目で。(でもここではジャーナリスティックに書くつもりはありません。あくまでも今後のためのメモとして。読みにくいのもご勘弁を

こちらが一番の問題と言えるシャトルバスです。全国から48チーム(大阪が2チーム)が参加している今大会。その全チームが一堂に会する予選ラウンドが、鹿児島市の郊外にある「ふれあいスポーツランド」で開かれています。当地は自家用車かバス以外の交通手段がありません。近くに駅はなく、路線バスも一日に数本しかないため、選手バスに帯同できる選手や指導者、自家用車で向かえる地元の方を除き、大半がシャトルバスに頼ることになるのです。

そのシャトルバスは鹿児島市の市街地たる「天文館」を起点に、陸の玄関口「鹿児島中央駅」を経由して「ふれあいスポーツランド」に行くのですが、ダイヤ編成が不思議です。

例えば8時25分からは5分間隔で運行されていますが、8時40分を最後に45分間も運行がなく、次は9時25分からまた4便が5分間隔。そしてまた40分という時間を空けて今度は10分間隔で運行しています。とても不思議なダイヤです。さらに問題だったのは、画像中にもある「中型バス」という注記。9時半の予選ラウンドキックオフを前に中型バスを4台で、一体、何人を送り込めるでしょうか。

ここからはちょっと細かい話をします。

仮にいすゞ「エルガ」で運行したとして、その定員は約70人です。これは着座定員25人程度に対して立ち客が45人程度乗れると見越しての数ですから、荷物の多いお客さんがいる場合は立ち客は30人くらいと考えたほうが良さそうです。もっとも、30人でもつり革や握り棒が足りなくなるくらいの数ですから、傍目にも「満員だな、このバスは」と思える人数です。着座25人と立ち30人の55人をベースに考えると、4便で220人を運ぶことができます。

一方で利用客は何人くらいを見込めばいいでしょう。48チームは指導者と選手だけでやって来るわけではありません。当然ながら土日を利用して訪れる選手のご両親などやメンバー外の選手たちもいます。私のような報道関係者や運営関係者の一部もバスを使うでしょう。もちろん少年サッカーは注目を集めているカテゴリーの一つですから、一般のお客さんもかなり含まれるはずです。

48チームそれぞれに少なく見積もって10人くらいの関係者がいたとしましょう。報道や運営などで50人、一般来場者で100人くらいと甘く見積もっただけでも、480+50+100の630人がバスを使う可能性があります。(公式記録記載の来場者数が各試合100人程度で同時に8試合を行ったので、記録上も800人くらいがお客さんとしていたことになります。それはこの試算を裏付けているかもしれません)

630人に対してバスの定員は220人。何が起きるでしょう。当たり前ながら「積み残し」です。鹿児島中央駅から乗ったという記者の中には、当地8時45分発にも乗れず、9時30分まで待ったという人がいました。ただその9時台の便とて超満員で発車したということです。

当然、帰りも大変です。この日の最終戦は15時キックオフですから、試合終了は15時50分です(少年サッカーは20分ハーフ+10分のハーフタイム)。そのあとに出発するバスは、16時ちょうど、16時5分、16時10分、16時15分の4便のみ。しかも16時の一つ前のバスは15時15分に出ていますから、最後の試合を見なかったお客さんまで16時のバスに集中します。

当たり前のようにバス乗り場は長蛇の列。16時15分過ぎに2台のバスが来て、それに私も乗りましたが、身動きの取れないほどの満員です。シャトルバスを運行していた鹿児島交通(いわさきグループ)の担当者が「あと3人乗るので詰めてください」と言って、外から車内の隙間を探すという有様。ごく普通の発想をすれば、先行していたバスをもう1往復させるなどしてバスを増発することを考えますが、見事に詰め込みました

ただバスは30分で市街地には着かずに15分遅れ。45分も超満員状態でしたから、車内では「気持ち悪い」と漏らす子どもも。また、これはシャトルバスの運行計画には関係ないですが、運転手さんが運転中に全く喋らないのも問題に感じました。西鉄バスに乗り慣れているからゆえの違和感ですが、西鉄バスで当たり前の「発車します」「右(左)に曲がります」「信号停車です」が、朝夕のラッシュでは立っている乗客の情報源になっています。動き出すときに「発車します」があれば踏ん張れますし、曲がる方向が分かれば体に掛かる力の向きももちろん分かります。
普段使いの路線バスでも助かることですが、土地勘がない場所で、満員のバスゆえの視界情報がほとんどない場合ならばなおさら、そういう喋りでの案内はほしいなとも思いました。

なお、開会式でもシャトルバスは3便しか運行されず、いずれも開会式の30分前、20分前、10分前に着くダイヤでした。それでは万が一のときに不安なので私はシャトルバスを使いませんでしたが、仮にも10分前というギリギリに着いてしまうと、受け付けをしたり、お手洗いに行ったりしている間に式が始まってしまいます。クリスマスに重なっていましたから渋滞が起きる可能性もありましたし、バスが少しでも余計に信号に引っかかれば、10分は何の余裕も生まないでしょう。


話が行ったり来たりしましたが、その「行ったり来たり」の如くにシャトルバスという言葉は一定間隔で往復するものを指すべきだろうと思います。機織りのシャトルのように。今回であれば45分のスペースを置いたあとに5分間隔というようなダイヤを組むのではなくて、例えば全ての時間帯で15分間隔で運行し、多客時間帯のみ間に1本を挟む。そういったやり方を行わなければならないですし、何より、天文館8時40分発のバスが途中の鹿児島中央駅で積み残しを発生させたのなら、その時点で増発する手を打つべきです。ふれあいスポーツランドは営業所から遠いですが、市街地発はそうではありません。

最後にちょっと話が飛躍します。

ここ最近、ずっと「ホスピタリティ/おもてなし」という言葉はトレンドになっています。ホスピタリティは、観光客がリピーターになる大きな要因だからです。行きたい場所があるから、食べ物がおいしいから――。そういった理由だけではなく、おもてなしの心に触れたことで会いたい人ができたり、ありがとうを言いに行きたい人ができたりしたら、心強いリピーターができるはずです。

おもてなしの第一の接点は、1次交通(飛行機や新幹線)と2次交通(路線バスやタクシー)です。2次交通として、隙間を探して詰め込むようなバス会社に遭遇すると、街の印象にも強い影響を与えてしまいます。

あまり「反面教師」にはしたくはない例ですが、レノファ山口FCでは来年はお客さんがさらに増えると見込まれますし交通計画は十分に練る必要があります(改めてキララバスナビも頑張らなければと思います)。ギラヴァンツ北九州も新スタジアムが完成すると駅に近くなる分、車を利用していたお客さんをどう公共交通に移行させるかという課題が残っています。1次交通、2次交通は街の顔。そういうことを再認識させる、不思議なシャトルバス計画でした。